kurasi-juku vol.11

「民家」-造りたい・住みたい・再生したい

-「木と人と地域のはなし」−
 11回目となる民家暮らし塾。今回は、歩きお遍路さんのための休憩、仮眠ができる「へんろ」小屋を2001年から10数年かけてボランティアで造っていくプロジェクトの話。もちろん民家再生見学会も実施しました。
テーマ 木と人と地域のはなし
場 所 徳島県三加茂町 H邸
日 時 平成17年11月27日 12:30〜16:15
講 師 「四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト」歌一洋建築研究所 歌一洋氏
演奏会 マンドリン 宮武省吾
ギター   清水あずさ
 耳に馴染みのある映画音楽やCMで使われている曲が多く、アコースティックな響きに癒されました。
■「四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト」について
 四国に八十八ヶ所の霊場札所を巡拝する遍路道があります。いわゆる「四国八十八ヶ所」です。
 空海が開いたとされ、1200年余り、お遍路さん、地元の人達によって脈々と今に受け継がれています。祈りを体現したシステムとしては「お接待」戸「循環性」というカタチは世界でも類を見ません。
 この四国全域1400kmの遍路道89ヶ所に、歩きお遍路さんのための休憩、仮眠ができる「ヘンロ小屋」をボランティアで造っていくプロジェクトです。2001年から10数年をかける予定です。
 小屋は地域の様々な人達と共に、つくる過程も大切にしながら造りたいと考えています。また小屋の設計にはその地域の風土、伝統文化、建築文化、空海の思考を多少なりとも生かしつつ、新しい風景が創出できればと考えています。
 小屋を通して「祈り」「人と人、人と自然のふれあいや支え合い」の精神が広がり、深まることを願って・・・

【発心】
 私は徳島県南に生まれ、お遍路さんとの思い出があります。幼少の頃、白装束を身にまとったお遍路さんが玄関先で拝んでくれるたびに、米など家にあるものを袋の中に入れてあげていました。「お接待」です。
 この原風景が、年齢を重ねるごとに、徐々に浮かび上がってきました。特に20年前から歩きお遍路さんに何かを強く感じています。
 そして外国へ旅するごとに遍路の持っている文化の貴重さを意識するようになっていました。また、人間「空海」を識るほど強く魅かれるようになりました。
 建築設計を生業とし、前向きに生きるための「祈り」を建築のテーマとしている私にとって歩きお遍路さんのため、何かできるのでは・・・と考えていました。
 そんな思いが少しずつ醸成し、ごく自然に生まれたプロジェクトです。
■会場について
【再生後】